「あのときのあの感覚」があると強い。

 この度は、子カバキャンプにご参加いただきありがとうございました。出発前から雨予報の日程となってしまいましたが、かえってこれまでにないチャレンジをすることになり、またCABA campとしても新しい可能性を見つけることができました。

 

 さて、CABA campはさまざまな野外活動をする団体の中でも、ハードなキャンプをするようです。「するようです」というのは、実は私は自分の経験としては幼少期に定期的に参加したキャンプを除いてはほとんどキャンプ経験がないからです(いくつかのキャンプに参加したことはありますが、定着しませんでした笑)。だから、実はあまり「きついことをしている」自覚はありませんでした。CABA campは、

自立のためにチャレンジし、気づきをもってかえる

(Challenge forAliveness &Back home with Awareness)

ことがコンセプトです。スタッフたちとは、このコンセプトに沿って、活動(行程)を決め、支援を考え、子どもたちと関わってきました。子カバキャンプ(KIDs)も、初心者向けのキャンプですが基本的な考え方は変わりません。できることはもちろん自分たちでしてもらいますし、できないことも「まずはやってみよう」とチャレンジしてもらいます。

 

 メインのプログラムはハイキングですが、実は「料理を作る」「自分の荷造りをする」あるいは、「おうちのひとから離れて暮らしてみる」といった日常生活の方がチャレンジだったりします。できるようになってしまえば、なんてことないですが、できなければそれも大冒険です。その辺りが「カバキャンプはハード」と言われる所以なのかもしれません。

 

 今回私たちは、特に初日のMTGの後から「思っているよりももうちょっと丁寧に『ふかふかのベッドを用意するように』支援してもいいかもね」と話しました。ただただ「甘えさせてあげる」のではない、「ふかふかのベッドを用意するように」というのは、例えば、「実は普段やっていることとあと一歩のところまでは似ている」状態にまで近づけたものを提示する、などといったことです。そうすれば、「できるようになる」その瞬間を経験し、記憶し、体に入るだろうとおもったからです。そうすれば、「あの時のあの感覚」を頼りに、たくましくしなやかに、コンセプトのようにチャレンジを続けてくれるだろうと思いました。

 

 (すこし飛躍しますが、)いまはとても不安定な時代と言われています。日本を含む世界のどこかで起こった問題が一人ひとりに降りかかり、個人でも対応しないといけない時代でもあります(新型コロナもまさにそうです)。時代が変われば必要なちからも変わり、ただ「勉強だけ」できていればいいわけではありません。きっと、力をあわせたり知恵を絞りだして向き合わなければいけない問題もあるでしょう。

 

 そんなとき、「きっとできるゾ」と思ったり、へこんで「もうだめだ」とならないために、いまできることは、小さなことでもチャレンジし、そこで「できた!」という経験をもつこと。そしてそれを後になって「あの時のあの感覚」でまたチャレンジをすることです。



 今回、チャレンジしてできるようになったことは一人ひとり違うと思います。でも、みんなあるはずです(僕はみんなのできるようになったことを発見しました)。そのできるようになった「あの時のあの感覚」を大事にしてほしいな、と思います。また、一緒にCABA campにでかけましょう。みんなと会えることを楽しみにしています。

 

2021.4.30

oranje代表・CABA camp統括

 

冨永岳(トミー)