自分を知るには、先に新しい自分をつくっちゃえ

 今回のCABA campは、いろいろと初体験がありました。朝の体操、スタンツ、ナイトハイク、川あそび、お好みメニュー、、、などなど。それはもうたくさんです。どれもこれも楽しくて楽しくてやってよかったなあと心から思っています。その中でも、僕(トミー)の一番のお気に入りは、「子どもたちのキャンプネーム決め」です。ふと「やってみよう!」と思ってやってみました。

 

 話は少しそれますが、僕はCABA campの前に別のキャンプをしていました。そこでは「トム」という名前でカウンセラーをしていました。CABA campでは本部スタッフをしているので、役割が違うから、というのもありますが、「トム」でいるときと「トミー」でいるときは、別の人格で活動しているように思います。隣のひとを見ると、もちろん人格が自分とはちがいます。人格がちがえばすきなことやとくいなこと、過ごしやすい環境もちがってきます。だから、「トム」と「トミー」では、とくいとしてやっていることが少しちがっているように感じました。つまり、自分の中にはちがったいくつもの良さがあるな、と思ったのです。

 

 そうやって、自分のことについて知ることをメタ認知、と言います。今この時代は、先行きが不透明だ、とよく言われます。でも、それはいつだって同じだと思っています。未来を予言することなんてできないわけですから。だから、どんなときも、メタ認知をはたらかせ、自分がすきなことやとくいなことで活動し、心地よく過ごす環境を得ることはとっても大事だと思います。oranjeで自由研究をしているのもそういう理由です。

 

 さて、参加してくれたみんなはどれくらいメタ認知ができただろう?今回みんなにもキャンプネームをつけてもらったのは、キャンプという普段とは全く違った環境に身をおくことで、新しい自分のすがたに気づいてほしかったからです。そして、未来(明日かもしれないし、10年後かもしれない)のある時点で、「あ、〇〇(それぞれのキャンプネーム)でいたときは、自分がイキイキしてたな」とか、「〇〇でいたときは、こういうひとたちが周りにいてくれて助かったな」と思い出して、何かを決断するときの材料の一つにしてほしいと思ったからです。いますぐ言葉にできなくてもいいと思います。でも、キャンプネームでいたときに感じた「心地よかったアノ感覚」はしっかりと思い出せるようにしておいてください。

 

 繰り返しますが、僕はこのキャンプネームをつける活動をして良かったと、心の中から思っています。最後、出町柳駅から解散するときに、「あぁ〇〇でいるの、これで最後かぁ」と呟いてくれた子がいました。きっとその子は新しい自分のすがたを発見し、その自分をとってもすきになったんじゃないかな、と思います。普段、むずかしいことやつらいことに直面したときには、ぜひ〇〇に変身してください。きっと乗り越える力をもらえるんじゃないかな。僕はみんなのその力を信じています。

 

 保護者の皆様、今回も大切なお子たちを送り出してくださりありがとうございました。今回のキャンプは難しい要素が非常にたくさんありました。そして、相変わらず厳しい4日間を過ごしました。それでも子どもたちは安全に健康に楽しく過ごしてくれました。これは子どもたちが4日間で自らを成長させ、ちからを発揮してくれたからだと思っています。我々がつくるキャンプのCABAを体現してくれたんだなと実感しています。上記にもありますが、私の興味はいまメタ認知にあります。これはこれからの時代ではより一層、子どもたちの成長を助けるちからになります。保護者の方には、CABA campでの子どもたちの成長を子どもたちといっしょに確かめあって、それを普段の生活の「ふつう」になるようちょくちょく思い出させてあげてほしいなと思っています。今回も本当にありがとうございました。

 

2021.8.9

oranje代表・CABA camp統括

 

冨永岳(トミー)