調べ学習の越えられない壁


夏休みまで、あと1週間を切りました。
旅行の計画を立てたり、来るお楽しみイベントに心を躍らせている頃かと思います。

 

でもやっぱり気になるのは、ここぞとばかりに学校から出る大量の宿題。
しかも、目いっぱい遊びたい夏休みに限って、めんっっっどうな自由研究がなぜか必ず毎年出る。
「自由研究って言ったってめんどっちいし、何か工作したり調べ学習でもして提出しよう」
なんて人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、それはかなりもったいない。
自由研究はとても効率よく心と頭を使い、
生きた学びを最大化してくれる学び方の一つなのです。

 

その辺りは今回は割愛するとして、
「じゃあ、なぜ調べ学習(や工作)じゃ自由研究になりにくいか」
を語ることとします。

 

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■調べ学習の越えられない壁 その1|頭(もしくは、チカラ)のつかい方
人が学ぶとき、頭(チカラ)の使い方にはざっくりわけて2種類あると思います。
一つは、計算ができたり漢字の読み書きができたりするチカラ(認知能力なんて言います。IQと言い換えるとわかりやすいでしょうか)
もう一つは、考えたことや感じたことから、時には誰かと協力し調べ方を考えたうえで、答えを発見するチカラ(こちらは、非認知能力。IQに対して、EQ(Emotional Quotient)といいます。)


個人的には、前者がデジタル、後者がアナログなイメージをもっています。
計算や漢字、記憶をしたり、調べものをしたりは機械(電卓やGoogle検索など)の方が得意そうですもんね。

そして、調べる、を既述したように、やはり調べ学習は何を調べるかが決まりさえすれば、
モノによっては数秒あれば済んでしまいます。


タイピングしたり、本をめくることさえできれば。


つまり、そこにこだわりや試行錯誤の余地があまりなく、問いと答えの間がかなり短絡的なのです。

これでは、イキイキと学んだ、というより
問いに対する答えの発見を最速化した、といった学びになります。
もちろん、本やインターネットを使って何かを調べまとめるチカラも必要かもしれませんが、
長い夏休みを使ってわざわざすることではないような気もします。

 

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■調べ学習の越えられない壁 その2|字がベースの学び
言われて久しい言葉を使うと、学びは机の上だけじゃない、ということでしょうか。
計算や漢字など認知的な能力は机で完了してしまいます。
その1で調べ学習も認知能力によるところが大きいことは述べましたが、
やはり、PCや本の前で完了してしまうことが多いことは事実だと思います。

 

料理をするときに、レシピ本を見ただけではできない料理は山ほどありますよね。
きっと、
「レシピには塩は○○くらいって書いてあったけど、ちょっとしょっぱい気がするから今度は少し減らしてみよう」とか
「ご飯は少しかためが好きだから、ちょっと水を減らしてみようかな」とか
字からの情報だけで料理をすることはごくまれだと思います。


モノを見て、自分で試して結果を振り返る。
そんな時間が調べ学習には圧倒的に欠けているところではないでしょうか。

 

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■調べ学習の越えられない壁 その3|多様性を感じにくい
『”なにか”がある』ということは、その”なにか”に関係する”なにか”があるはずです。
たとえば、アゲハチョウと花の蜜とか、車とガソリンとか、学校とこどもたち、とかとか。


切っても切れないものの関係性の中で私たちは生活していますが、
それを表面的に、字面だけで追ってしまうことが調べ学習のやや残念なところではあります。

多様性を感じるにはやはり五感が重要な要素の1つになると思います。


逆に、日々の生活で五感に触れることがあれば、多様性に触れ始めた、と言ってもいいかもしれません。
ある2つ以上のもの同士の関係性に気づくことが学びの始まりです。
問いと答えが短絡していると、ここの大事な段階をすっ飛ばしてしまっていることが多いと思います。


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自由研究。毎年ある”面倒な行事”のようになっていますが、
もう一度その役割や学びとしての意義を考え直してもいいかもしれませんね。
また、自由研究は今の時代にフィットしている学び方とも言えます。
今年の夏から自由研究との向き合い方を改めてみるのはどうでしょう?




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oranje代表

自由研究パートナー

冨永 岳

Tominaga Takeshi

長野育ち 御室出身

京都教育大学大学院教育学研究科 卒

京都教育大で、探究学習や自由研究の有用性を見出す。日常性に着目した学びについての研究として、現行の教育とは別視点の教育を提案した。

大学院卒業後、準備期間を経て、地元・京都の御室で探究学習や自由研究で学ぶoranjeをスタート▶ブログ「漫画でいうと第1巻の第1話がすきな代表の話し

■影響を受けた本■
・(新)13歳のハローワーク
・選択の科学

・善の研究

 ■すきなこと■

外遊び。山を走ったり、海で泳ぐのがすき。

あと、カレーが大好き。


 

Special THANKS

oranjeでは、授業の開発や教育研究について様々な方にご支援いただいています。

京都教育大学

理科教育研究室

村上 忠幸

Murakami Tadayuki

兵庫県の県立高校の化学教員を15年間勤め、1999年から京都教育大学理科教育研究室で探究学習の研究をしている。研究テーマは、新しい時代の教育に向けて前仮説段階探究、messing about、マルチプル・インテリジェンス、自己理論化、省察、メンタリングなどのキーワードを用いて「経験からの学び」について検討している。

 

1957年1月11日生まれ

兵庫県北部の養父出身

滋賀県私立教員

小巻 一歩

Komaki Ippo

 大学院で生物の進化に関する教材を研究すると同時に探究学習に興味を持つ。自分がおもしろいと思うこと、興味を持っていることを生徒と共有するのを目標に、現在は滋賀県の私立高等学校で勤務。

oranjeでは自由研究パートナー、授業開発のアドバイザーなどボランティアとしてかかわる。

 

1991年7月12日生まれ

京都市衣笠出身

京都教育大学大学院 教育学研究科 修了