幼児教育の経済学

ずっと読みたいと思っていた本の一つです。
ようやく読むことができました。

 

2017/6/4のNHKスペシャル「私たちのこれから #子どもたちの未来」の中でも紹介された研究を整理した本で、
2000年にノーベル経済学賞を受賞した、ジェームズ・J・ヘックマン教授著の『幼児教育の経済学』(東洋経済新報社)というタイトル。

 

研究の概要が読みやすくまとめられていましたし、他の研究者からのコメントも載っていました。
解説は、大阪大学副学長で同大学経済研究所の大竹文雄教授です。
芸人で作家の又吉さんともEテレでわかりやすい経済番組の解説をされている先生です。

 

もちろん、すべて読めば研究の詳しいことが描いているのですが、
はじめの2ページで結論が書かれているため、
「もっと知りたい!」と思った人はぜひ続きを読み進めてみてください。

 


簡単に説明すると、
子どもが将来心身ともに健康で経済的にも困窮しないための教育は、
学力の向上を促すものだけではなく、こころの豊かさを促すものである、というものです。
まさに、oranjeの”豊かな教育”というところとリンクしています。

 

もっと簡単に言うと、
テストで学校の100点取るだけじゃなくて、
何かに没頭したりともだちと何かに取り組んだりする力が大事、ってことです。

 

この大事な力を非認知能力(⇔認知能力)と紹介していて、
やる気や忍耐力、協調性などを例に挙げています。
(逆に認知能力は、計算や言語、記憶などの能力です。≒テストで測りやすい能力)

 

 

幼児教育というと、これまでの私たちの発想では、単純な早期教育というイメージで、
内容としては、早くから計算ができるようになったり、文字が読めるようになったりと、
いわゆるお勉強のできる子を育てる教育をなるべく早い段階からしようというものでした。

 

だからこの研究の革新的なところは、そういった能力ではない能力に目を向け、
それを確固たる教育として(公機関が)実施することを推し進めた点なのです。

 

そしてNHKスペシャルで紹介されたその方法は、
「課題決定→計画→実行→復習」のサイクルを継続的に実施していくことです。
確かにこれだと子どもによって課題等はそれぞれになるでしょうし、目指すところも変わってくるはず。
きっと社会で実際に使うチカラが涵養されていくんだろうなぁと思いました。

 

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自分で決めたことを自分で実行し、時には他の人の力も借りながら自分だけの成果を創り出していきます。
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